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第2章 71 信用を得るには

last update آخر تحديث: 2026-01-07 21:19:12

 翌日はスッキリした寝覚めだった。

「う〜ん……よく眠れたわ……」

 ベッドから起き上がり、伸びをすると時計を確認した。時刻は午前6時を指している。

「まだ時間もあるし……今日は1人で準備しましょう」

 早速ベッドから降りると、朝の支度の為にクローゼットへ向かった。

「どれにしようかしら……」

 アルベルトが用意してくれた服は殆どが高級そうなドレスばかりで、普段着になりそうな服がほとんど無かった。

「出歩くのにこんなに丈の長いスカートでは足さばきが悪いわ」

 それに領地視察に行くのに、ドレスを着ていくわけにはいかない。これから視察する領地は水が枯渇している場所なのだ。恐らく領民たちは苦しい生活をしているに違いない。

 そのような場所に、着飾ったドレスで行けるはずなど無かった。

「何かもっと落ち着いた服は無いものかしら……。あ、これならまだマシかもしれないわ」

 私はクローゼットからドレスを手に取った――

 着替えをし、髪をアップに結い上げたときに扉をノック音とともにリーシャの声が聞こえてきた。

『クラウディア様、お目覚めでしょうか?」

「ええ、リーシャ。入っていいわよ」

扉に向かって声を掛けると、「失礼致します」と言いながらリーシャが扉を開けて室内へ入ってきた。

「おはようございま……ええ!? クラウディア様……もう朝のお支度を済ませてしまったのですか?」

 リーシャが目を見開きながら私に近付いてきた。

「ええ。そうだけど」

「そんな……今日こそ朝のお支度をお手伝いしようと思ってういたのに……」

「リーシャ、私なら大抵のことは1人で出来るから大丈夫よ? 貴女はこの城の仕事も覚えなくてはならないのだから、少しでも負担を減らしてあげたかったのよ」

「クラウディア様……お気遣いありがとうございます。ですが、やはり私にももう少しお世話させて下さい」

 リーシャが頭を下げてきた。ひょっとすると、私に負い目を感じているのかもしれない。いくら操られていたからとは言っても、自分のせいで私が危険に晒されたと思っているのだろう。

「分かったわ。それでは明日の朝からはお願いするわね?」

笑みを浮かべてリーシャに声をかけた。

「はい、ありがとうございます。あの……ところで……」

リーシャが私をチラチラと見ている。

「何かしら?」

「い、いえ。今日は……随分質素なお召し物を着ていると思いま
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     その後、リーシャが部屋に運んでくれた食事を済ませると、曾祖母が残してくれた『錬金術』の記載がされた日記帳を読んでいた。「成程……『生命の水』と呼ばれる錬金術の術式があるのね……知らなかったわ」 『生命の水』の術式はエリクサーや聖水よりも簡単な術式だった。これなら然程時間を掛けずに作ることが出来るかもしれない。「もともと水があった場所に『生命の水』をまけばそこから水が湧き出てくるのね」 術式を頭に入れ、日記帳を閉じると座っていた椅子の背もたれに寄りかかった。「油断していたわ。私は回帰者だと言うのに、日照りのことを忘れていたなんて……」 あの頃、アルベルトは従者を連れて領地の視察に忙しく飛び回っていた。そこへ突如現れた『聖なる巫女』カチュアと共に視察を周り、彼女の祈りで雨が降ったと言われているが……。 恐らく雨が降ったのは偶然。どのみちカチュアが祈ろうが祈るまいが、近いうちに雨は降ることになっていた。 長く続いた日照で温められた川や海の水分が上空に登った。しかも話によると、雨乞いの儀式として、やぐらを組んで火を燃やし続けたとも言われている。 いずれにしても雨が降るきっかけを作ったのは確かだった。けれど、あの件がきっかけでアルベルトとカチュアの距離が縮まり、国中からカチュアは称賛された。 そして皮肉なことに、ただでさえ悪かった私の評判はますます悪化していった。雨が降らなくなったのは敗戦国の私がこの国にやってきたせいだと根も葉もない噂が広まったからだ。「今回はそうはいかないわ。私がカチュアよりも早く、日照り問題を解決すればいいのよ。そうすれば、国の信頼を得ることが出来るはずだもの……」そこで私は準備を始めた――**** 午前9時―― 私は迎えに現れたリーシャの案内でアルベルトが待っている城門へとやって来た。「来たな? 待っていたぞ」 既に馬車の前にはアルベルトが立っていた。「はい、お待たせして申し訳ございません。本日はどうぞ宜しくお願いいたします」 彼の側には従者と見られる4人の騎士がいたが、彼らはチラリと私を一瞥するだけで気にも留める素振りも無い。「酷い……何て失礼な……」 リーシャが口の中で小さく呟く声が私の耳にも届く。 やはり、ここでも同じような態度を取られるのか……。 心の中で思わずため息をついた時――「お前達!

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  • 断罪された悪妻、回帰したので今度は生き残りを画策する(Web版)   第2章 67 幸せを祈るだけ

     宰相とカチュアが帰った後。病み上がりで精神的疲労も重なったので、今日はベッドで休むことにした。「明日からまた今後のことを考えればいいわね」そして私は眠りに就いた――  誰かの人の気配でふと目が覚めると、リーシャが蝋燭で部屋の明かりを灯している最中だった。「あ、お目覚めですか? クラウディア様。勝手にお部屋に入り、申し訳ございませんでした。ノックをしてもお返事が無かったものですから」リーシャが申し訳なさそうに謝る。「そうだったの? 別に気にしなくていいわよ。それにしても灯りを灯す時間まで私は眠ってしまっていたのね。今は何時なのかしら?」「はい、19時を過ぎた頃です」「え? そんな時間だったの?」確かベッドに入ったのは14時を過ぎていた。それが5時間も眠ってしまっていたなんて……。「昼寝にしては寝過ぎね」苦笑しながらリーシャに話しかけると、彼女は首を振った。「いいえ、クラウディア様は病み上がりなのですからゆっくりお休みになって下さい。それで食事のことですが……お召し上がりになりますか?」「そうね……それでは持ってきてもらおうかしら?」私が早く食事をしなければ、厨房の人達も休めないだろう。「はい、承知いたしました。すぐに伝えて参りますね?」笑顔でリーシャは返事をすると、残っていたランプに灯りを灯すと部屋を出て行った。「フフフ……私ったら厨房の人達のことを気に掛けるなんて、完全に主婦目線じゃない」そしてふと、置き去りにしてしまった葵と倫のことが思い出された。「あの子達……私がいなくなった後、御飯ちゃんと食べているのかしら?」掃除や洗濯は出来ているのだろうか?単身赴任中だった夫は……子供達と暮らしているのだろうか……?もう二度と会えない私の愛する家族。今の私には3人の幸せを祈るしか無かった――****「お待たせいたしました、クラウディア様。お食事をお持ちいたしました」リーシャがワゴンに乗せて料理を運んできた。「ありがとう、リーシャ。……あら?同じ料理のお皿が2つずつあるけど、貴女も私と一緒に食事をするのかしら?」 ワゴンの上に乗っている料理を見て、思わず首を傾げながらリーシャを見た。「いえ、それが実は……」リーシャが言いかけた時――「私がこの部屋に2人分の料理を運ぶように命じたのだ」驚いたことに、アルベル

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